浪速風

なぜ近畿だけ春一番じゃないの?

東京・銀座では強い風が吹き、脱いだコートを手にしている女性もいた=14日午前、東京都中央区(福島範和撮影)
東京・銀座では強い風が吹き、脱いだコートを手にしている女性もいた=14日午前、東京都中央区(福島範和撮影)

古今和歌集の「-目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行)の初句は「秋来ぬと」だが、昨日は風の音に驚いた。中国地方から東海、北陸、関東まで春一番と発表されたのに、近畿だけ見送られたのはどうしてだろう。4月の陽気だったし、風速も十分だと思うのだが。

▶ともあれ春は目に見えてやって来る。花瓶に挿していたネコヤナギの花穂が開いた。銀白色の毛が猫の尾を連想させる。北国育ちの小欄にとって、まだ雪の残る川辺のネコヤナギが早春の思い出である。スーパーにフキノトウやコゴミ、ウドが並んでいた。天ぷらや和え物にするのがいい。わずかな苦味に春を感じる。

▶三寒四温で寒暖が繰り返されるのもこの時期の特徴である。で、再びの寒波。咲いた梅もふるえているようだ。10度前後の気温差はこたえる。体調管理にご注意を。行きつ戻りつ、それでも確実に冬から春へ。「残り少ない余寒ももののなつかしき」(正岡子規)

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