その結果、1日当たりの平均推定摂取量は、体重1キログラム当たり0・24マイクログラムだった。欧州連合(EU)は同0・4~1・9マイクログラム、カナダは同0・16~0・6マイクログラムで、日本人の摂取量は取り立てて多くはなく、動物実験で発がん性が確認されている量と比べると、およそ1000分の1という結果だった。食安委の姫田尚事務局長は「健康への影響を考える際、動物実験で発がん性が確認されている量の1000分の1という量は、発がんの危険ラインまでの距離で考えると、余裕が少ない。このため、アクリルアミドの摂取量は減らす必要があるという結論になった」と説明する。
野菜からが6割
どのような食品からの摂取が多いかを見ると、炒めたモヤシやジャガイモ、タマネギなど高温調理した野菜からの摂取が56%と半分以上を占め、コーヒーや緑茶などの飲料(17%)▽ポテトチップスなどの菓子類(16%)▽パンなどの穀類(5・3%)-と続いた。
摂取量を減らすためには家庭での調理法に注意することが大切だ。農水省は昨年10月、アクリルアミドを減らすために家庭でできることをまとめた冊子を作成(同省のサイトからダウンロード可能)。(1)ジャガイモは常温で保存(2)レンコンなどは水でさらす(3)食材を焦がし過ぎない-といった調理法を紹介している。