文化庁メディア芸術祭受賞作品展 多様化する現代社会と向き合う

文化庁メディア芸術祭受賞作品展 多様化する現代社会と向き合う
文化庁メディア芸術祭受賞作品展 多様化する現代社会と向き合う
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 「メディア芸術のいま」を俯瞰する平成27年度文化庁メディア芸術祭の受賞作品展が、東京・六本木の国立新美術館で開かれている。今年度はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、87カ国・地域から計4417作品の応募があった。会場では受賞作を中心に約160作品を紹介。性的少数者(LGBT)と家族のありようなど、多様化する現代社会と向き合う作品が印象に残った。

 マンガ部門大賞は東村アキコの『かくかくしかじか』(集英社)。漫画家になるまでの半生を、美術教室の恩師への感謝を軸に描いた自伝的作品で、個人的体験を「普遍的な物語」へ昇華させたと評価された。会場の壁に東村は「描け」「描け」「描け」と吹き出しで語る恩師を描いた。「これは先生に対するざんげの物語。何も考えずただ描いた作品がこのような評価を受け、うれしい」と素直に喜んだ。

 同部門優秀賞、田亀源五郎の『弟の夫』(双葉社)は同性婚がテーマ。ゲイだった弟の死後、カナダ人の「夫」が兄を訪ねることから物語は動き出す。「ダメもとで提案した企画が編集者や読者に支えられ受賞に至り、とてもうれしい」と田亀は語るが、「いま流行のように使われているLGBTという言葉を、そのうちメディアで見かけなくなっても、こうした人が世界の中に居続けることを作品を通じて感じ取ってほしい」と力を込めた。