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正論

現行憲法では危機を乗り切れない 反対派の詭弁に惑わされず緊急事態条項を 日本大学教授・百地章

百地章日大教授
百地章日大教授

 憲法改正について、安倍晋三首相は昨年11月11日の参議院予算委員会で、次のように答弁した。

 「大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題であると考えています」

 今回、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したが、最大の緊急時は外国からの武力攻撃である。そして、あらゆる国家的緊急事態において国と国民の生命をいかに守るかというのが、緊急事態条項の核心となる。ところがそれを忘れたかのような反対論が、護憲派の陣営やマスメディアから出始めた。

現行憲法で危機は乗り切れるか

 昨年11月13日のパリ同時多発テロでは、130人以上の死者と400人近い負傷者が出た。フランス政府は非常事態法に基づいて非常事態を宣言、緊急権を発動して事態を収拾した。

 わが国政府はテロの発生を事前に阻止すべく、国際テロ情報収集ユニットを立ち上げたが、問題はそれでも不測の事態が発生した場合にどうするかということだ。

 また、心配される首都直下型大地震や南海トラフ巨大地震が発生した場合はどうするのか。大正12年の関東大震災では、東京市内の44%、21万棟が焼失、10万5千人余りの死者、行方不明者が出た。大蔵省、文部省、内務省など国の多くの建物も焼失、帝国議会も開けなかった。そこで山本権兵衛内閣は、憲法に基づいて法律に代わる緊急命令を発令、被災者の食糧確保のための物資の調達、統制、物価高騰の取り締まり等を次々と実施し、危機を乗り切った。