三重「正論」懇話会詳報

慰安婦合意、うそへの反論なし 未来へ禍根を残さぬか…西岡力氏

激動する朝鮮半島にどう対応すべきかを語る西岡力氏=津市
激動する朝鮮半島にどう対応すべきかを語る西岡力氏=津市

 津市で8日に開かれた三重「正論」懇話会の第3回講演会で、東京基督教大教授の西岡力氏が「激動する朝鮮半島とどう付き合うか」と題して講演した要旨は次の通り。

日韓慰安婦合意、未来に禍根も

 日韓両政府が慰安婦問題で合意したことは、外交問題としては良くやったと思う。日韓関係が良くなることは、日本の国益になる。例えば、北朝鮮の情報を一番持っているのは韓国。そういう情報が日本に来るようになることは、悪いことではない。

 ただし、日本の名誉を守るという観点でいうと、未来に禍根を残しかねない。1992年、宮沢喜一首相(当時)は韓国で8回も謝った。謝らせたのは外務省だ。慰安婦という人はいたが、もともと慰安婦問題というものはなかった。慰安婦問題を外交問題化したのは、誤報をした朝日新聞と、うそのキャンペーンにおたおたして調べもしないで謝った外務省だ。

 国際社会で謝ったら認めたことになる。相手から使えるということになる。韓国は外交交渉のカードとして慰安婦問題を使った。そして、さらに何が起きたか。国際社会で、日本軍は約20万人を強制連行したといううそが広がった。

 その結果が、1996年に出た(国連人権委員会の)クマラスワミ報告だ。国際社会では、反論しなければ認めたことになる。クマラスワミ報告に対して日本政府は反論しなかった。そういう状況の中で結ばれたのが、日韓の慰安婦問題の合意だった。

 合意で、私が一番心配したのは、国連や国際社会で相互批判を控えることを約束したことだ。国際社会では日本が反論してこなかったため、うそが一般論だ。それへの反論を日本が控えることで、日本の名誉の問題が残ることになる。未来に禍根を残すことになるのではないか。