また昨年5月に大阪市で実施された住民投票で敗北し、政治家を引退するきっかけにもなった都構想にも言及。
大阪府市の広域行政機能を統合し、新たな基礎自治体として特別区を設置する構想を、要は「全部ぶっつぶすという単純な話です」と極端に簡略化して説明。対症療法的な従来の改革手法では時間がかかりすぎるとし、都構想の利点を「府と市のシステムを全部打ち崩して、新しい仕組みをつくる」と紹介した。
任期途中で大阪市長を辞職し、都構想への民意を問うために打って出た平成26年3月の出直し市長選についても振り返った。
批判を集めがながらも約38万票を獲得した民意を強調し、「メディアは『白けた選挙』『民意がない』と言う。でも(票数は)歴代の市長よりも上だった」と自賛した。同時に選挙の厳しさについても触れ、「選挙は戦。まさに食うか食われるか。時代が時代なら、殺しあい」と独特の言い回しで表現した。
福山市長選と期待
橋下氏が福山市で講演したのは、元大阪市議、村上栄二氏の誘いがあったからだ。村上氏は大阪維新の会が躍進した平成23年の大阪市議選で初当選した「橋下チルドレン」の一人。昨年の市議選には立候補せず、現在は出身地の福山で地元の活性化に取り組むが、今夏の福山市長選への立候補がささやかれている。