社会問題化している虐待について、背景やどのように関わるかを考える市民人権フォーラム「すべての人に優しい社会をめざして」が7日、奈良県文化会館(奈良市)で開かれ、約210人の市民らが参加した。
フォーラムは、NPO法人日本結婚教育カウンセラー協会(棚橋美枝子代表理事)の発足3周年を記念して開かれた。
トークセッションでは、テレビドラマで子供に虐待する若い母親に手を差しのべる主人公を演じた女優の石野真子さんや、香川県三豊市立西香川病院長の大塚智丈さんらが、「すべての人に優しい社会を実現するために大切なこと」をテーマに話し合った。
大塚さんは虐待の背景について、「頑張っているけど誰もわかってくれない孤独感や疎外感が募り、追い込まれることで虐待につながっていく」と指摘。「子育ても介護も一人でできて当然と思われがちだが、援助を必要とする場合がほとんどで、互助力を復活させないといけない」とした。
また、石野さんは「人が抱えているものは見えにくいけれど、見守っていく姿勢を忘れないようにしたい」と強調した。