新聞に喝!

週刊誌の後追いが定着 なぜ新聞は「見識」を失ったのか ノンフィクション作家・門田隆将

□ノンフィクション作家・門田隆将

新聞の力がいかに衰えているかを示す事例が、ここのところあとを絶たない。新聞がいくら懸命に書きたてても、世の中は動かない。それは、新聞にとって「笛吹けど踊らず」と言うしかない現象だろう。

週刊誌が火をつけ、それを新聞やテレビがあと追いするというパターンも定着しつつある。年明け以降、そんなケースが目立つが、私は甘利明・経済再生担当相が辞任に追い込まれた一件に、いろいろ考えさせられた。

最初に報道したのは週刊文春だ。だが、当事者が甘利事務所の秘書に金銭を渡す場面を同誌のカメラマンが撮影するなど、告発者と一体化する取材手法が果たしてメディアとして許容されるのか、釈然としない。当コラムは週刊誌報道について取り上げる欄ではないので、その点については措(お)かせてもらう。

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