番頭の時代・永田町のキーマンII(2)

松井一郎おおさか維新代表 「異端児」の暴走…巧みにフォロー

【番頭の時代・永田町のキーマンII(2)】松井一郎おおさか維新代表 「異端児」の暴走…巧みにフォロー
【番頭の時代・永田町のキーマンII(2)】松井一郎おおさか維新代表 「異端児」の暴走…巧みにフォロー
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 今月24日、大阪市中央区のビルに入居する「おおさか維新の会」の党本部に、前代表の橋下徹の姿があった。憲法改正の独自案や夏の参院選の公約作りに向けて立ち上げた「戦略本部会議」の初会合に法律政策顧問として出席するためだ。

 昨年12月18日の大阪市長の任期満了に伴い政界を引退してから約1カ月。久々に公の場に現れた橋下は少し落ち着かない様子で報道陣に目をやった。代表の大阪府知事、松井一郎が「大阪でやっている改革によって日本のかたちを変える」とあいさつすると、同意するようにうなずいたが、発言を促されると「いや、もう…」と拒否。報道陣の前で何も語らなかった橋下は、松井を立てているかのようだった。

 ◇ ◇ ◇ 

 強烈な発信力が売り物の橋下に対し、人たらしで根回しを重視する松井。タイプの異なる2人は互いの得意、不得意分野を補い合い、橋下が政界に進出する直前の約8年前には姿も形もなかった「大阪維新」を全国区に押し上げた。首相の安倍晋三が官房長官の菅義偉とともに盤石な政権を構築したとすれば、橋下と松井はその大阪版だろう。

 橋下が過激な発言で物議を醸す異端児として存在感を発揮する一方、松井が真意をくみ取って政治のレールに乗せる役割を担ってきた。松井自身も橋下との関係を「言葉足らずの彼の本意をオレが丁寧に説明するだけ」と解説する。

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