保育園で「和食」食育が注目 乳幼児期に正しい味覚・習慣

 若くして乳がんにかかった女性とその家族の闘病を描いた映画「はなちゃんのみそ汁」(公開中)の主人公、安武はなさん(12)も、同園の卒園生。はなさんの料理の原点は保育園時代にある。33歳で亡くなった母の千恵さんは同園の方針に賛同し、幼い娘にみそ汁の作り方を教えた。父の信吾さん(52)は「保育園でよくかんで食べ、和食好きになったことは、はなの財産。風邪もひきにくくなりました」と話す。

発酵食品を提供

 近年は高取保育園のように、和食の良さを見直し、食育に力を入れる保育園が増えてきた。

 横浜市都筑区の「めーぷる保育園」(園児数32人)でも、生産者や流通経路が分かる食材を使い、和食給食や手作りのおやつを中心に提供。食へのこだわりや外遊びを大切に考える保育方針にひかれ、都内から引っ越して通う家族もいるという。

 同園など4園を運営するNPO法人「もあなキッズ自然楽校」の関山隆一理事長は「和食に使うみそや漬物、納豆など発酵食品は腸内環境を整え、免疫力を高める。乳幼児期にきちんと体を動かし、正しい食事をおいしく食べるという生活サイクルを作ることが大切」と話している。

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