その他の写真を見る (1/2枚)
幼いうちから素材の味を生かした和食を中心とした食事をし、正しい生活習慣を身につけることを重視する保育園が注目されている。近年は、味を正しく認識できない味覚障害の子供たちも増えているとされ、伝統的な和食の良さが保育現場でも見直されている。(戸谷真美)
玄米ご飯の給食
「ご飯は左にありますか? お汁は右にありますか?」「100回かんで食べましょう」
1月上旬、福岡市早良区の高取保育園(園児数217人)。机に並んだ給食を前に、当番の子供が声をかける。この日のメニューは、餅きび入り玄米ご飯、がんもどきのうま煮、ホウレンソウのみそ汁に納豆。一見すると地味な献立だが、子供たちはみなきちんと食卓につき、楽しそうに食べ始めた。
「保育園のご飯はいつもおいしいよ」。年長の5歳児クラスの男児は元気に話した。同クラスを担当する保育士の尾形妙子さん(60)は「子供たちはいつもほぼ完食。きちんとした食生活が、集中力を育むことにもつながると思っています」。同クラスでは、配膳(はいぜん)や食器洗いも子供たち自身が行っている。食器は瀬戸物だが、子供たちが割ってしまうことはほとんどないという。