南ア市長「もう無理」 完熟農園破産申請、生産者が取り下げ要望 山梨

 南アルプス市が経営難を理由に、債権者として運営会社の破産申請を申し立てた「南アルプス完熟農園」(同市寺部)をめぐり、青果物などを置く生産者協議会の代表者が3日、金丸一元市長と会談し、申し立ての取り下げを求めた。金丸市長は「一度リセットし、数年後に新たな拠点を作る」との考えを改めて示した。市長は会談後、報道陣に「(取り下げは)もう無理です」と述べ、破産手続きを進めていく考えを強調した。

 会談は市役所で約30分間行われた。「南アルプス完熟農園マルシェ生産者協議会」の野沢益雄会長らは「農業テーマパークを目指す珍しい施設で、バスツアー決定など集客増の見込みもある」として、破産手続きの取り下げ、営業停止した施設の早期再開を求めた。

 市側は、完熟農園が昨年12月までに1億3千万円超の経常赤字を抱え、資金繰りのめども立たないとして、先月29日、甲府地裁に破産手続き開始の申し立てを行ったと説明した。

 生産者側は、補助金も織り込んだ税引き前損益(昨年12月で約6400万円の赤字)に手持ち資金や今後入金される消費税還付金などを加味すれば、「実際の赤字は1800万円程度だ」と主張。議論は平行線に終わった。

 出席者によると、会談では近く、債権者らへの説明会を開き、市長が出席することが確認されたという。ただ、農家などが出資した資金の扱いについて、市長は「破産管財人に任せる」と述べたという。

 会談後、市長は報道陣に「南アルプスの主要産業は農業。なかでも果樹は大事だと思うが、今の時点で赤字を毎月、1千万円以上も垂れ流す状態を続けることはできない」と述べた。

 生産者側も会見を開き、「市長は破産宣告で責任を全て管財人に委ね、チャラにしようという印象だ」などと不満をぶつけた。

 市が破産手続きを申し立てた先月29日は、同市の石川寿議長が施設存続による処理を求める決議文を市長に手渡した同じ日。石川議長は生産者側の求めで傍聴した会見後、「市長から何も聞いていない。ひどいよな」と不快感を示した。

 議会は5日、この問題で全員協議会を開き、市長に経緯や今後の対応などをただす。

会員限定記事会員サービス詳細