小泉進次郎氏、また難役…農業に続き「聖域」の社会保障に切り込み 

小泉進次郎氏
小泉進次郎氏

 自民党は3日、中長期の財政の在り方を検討する「2020年以降の経済財政構想小委員会」(委員長・橘慶一郎衆院議員)を設置し、事務局長に小泉進次郎農林部会長を就けた。議論の主要テーマは「社会保障」となる見通しだが、「族議員」の発言権が大きい分野だけに、小泉氏の手綱さばきが試される。

 「将来世代が高齢者になるころの社会を見つめながら、社会保障改革をしっかりやっていく」

 稲田朋美政調会長は小委員会の設置を決めた3日の財政再建に関する特命委員会で、社会保障分野に切り込む姿勢を鮮明にした。選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる予定の夏の参院選を前に、結婚や子育てなどに関する若者向けの施策を検討し、若い有権者を取り込む狙いもある。

 若年層にも人気のある小泉氏の起用は、突破力と実務能力の高さも評価されてのことだ。昨年10月、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の大筋合意後に農林部会長に就任し、国内農家の不安や反発が予想される中で精力的に各地の農家や関連施設を回り、国内対策をまとめ上げた。

 1月14日には、農林中央金庫について「融資のうち農業に回っている金額は0.1%しかない。農家のためにならないなら要らない」と批判し、関係業界に対して物おじしない姿勢も見せつけている。

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