心の痛み、傾聴で緩和ケア…「臨床宗教師」が被災地や医療・福祉現場で活躍 

心の痛み、傾聴で緩和ケア…「臨床宗教師」が被災地や医療・福祉現場で活躍 
心の痛み、傾聴で緩和ケア…「臨床宗教師」が被災地や医療・福祉現場で活躍 
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 心のケアに当たる宗教者の専門職「臨床宗教師」が増えている。全国で初めて養成講座を創設した東北大に続いて、平成26年度からは龍谷大(京都市下京区)でも始まり、今年度、11人が研修を終えた。東日本大震災の被災地や医療現場などで実習を積んでおり、命や死の苦悩を和らげる即戦力となることが期待される。(小野木康雄)

 ◆死生観と向き合う

 昨年6月3日、宮城県南三陸町。仮設住宅の敷地にある集会所で、龍谷大学大学院で臨床宗教師研修を受講している学生が、被災者らと「お茶っこ」を開いた。ご近所同士が集まり、お茶を飲みながら世間話をする東北地方の習慣にヒントを得た交流会だ。

 ケーキを食べながら、打ち解けた雰囲気で談笑するうちに、参加した被災者は「心の痛み」をぽつりぽつりと語りはじめた。70代の女性は、夫が津波にのまれて行方不明のままだと打ち明け、なかなか出かける気になれず「運転免許の更新にも行けない」と話した。

 新潟県出身で16年の中越地震、19年の中越沖地震を経験した、臨床宗教師研修の受講生、西脇大成さん(25)は「東北には、自分の想像と容量を超える苦悩があった」と振り返る。自分の死生観と向き合わなければ、相手に寄り添うことができないと痛感させられたという。