野口裕之の軍事情勢

「瑞穂&克也」が熱唱 永田町劇場でデュエットする反戦歌って…死んでもいいから憲法が大事?

 一味はパリのビジネス街で次の大規模テロを計画しており、続けざまの大惨事を未然に防いだ功績は極めて大きい。功績の第一等は非常事態宣言である。まず、裁判所の令状をもらわず家宅捜索を実施した。通常の司法手続きでは、168カ所の証拠をそろえ、裁判所に提出せねばならぬ。その間に犯人は逃げ、第2・第3のテロをやる。司法上の逮捕ではなく、行政上の予防的拘束は不可欠だった。宣言後、3週間弱で2200カ所を捜索し、260人以上を拘束した。通信傍受はじめ飲食店や劇場など人の集まる施設を封鎖し、デモや集会も禁じた。実際、15年11月末に始まった国連気候変動枠組み条約締約国会議に合わせ、デモを予定した環境活動家も外出禁止に。大統領は宣言の発動や延長の条件をより柔軟にする憲法や関係法令改正に積極的で、一層現実的な私権制限を熟考している。

 非常事態宣言は15年11月に3カ月間延長され、2月3日の閣議で5月末まで3カ月間再延長する方向だ。驚くべきは、イスラム教預言者ムハンマドの風刺画が刊行されるほど自由・個人主義を尊重するフランスで、宣言延長への支持は91%に達する。いわれなき暴力による惨禍に、思想の左右を問わず怒りの声が国中を席巻したのだ。

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