共産党研究(上)

柔軟姿勢も変わらぬ本質 綱領では「天皇制は民主主義の徹底に逆行」 警察庁なお動向注視 

通常国会の開会式に臨む共産党の志位和夫委員長と同党幹部(中央)=4日午後、参院本会議場(酒巻俊介撮影)
通常国会の開会式に臨む共産党の志位和夫委員長と同党幹部(中央)=4日午後、参院本会議場(酒巻俊介撮影)

 年明け間もない4日、共産党恒例の行事「旗びらき」が東京・代々木の党本部で開かれた。志位和夫委員長は「安倍晋三政権になって自民党はウルトラ右翼、極右政党化した」「安倍政権は一見強いように見えて、実はもろく弱い」と声を張った。

 旗びらきでの政権批判は毎度のことだが、志位氏の今年の発言は一風変わっていた。共産党は「戦争法」と呼ぶ安全保障関連法が成立した昨年9月19日、緊急の4中総(第4回中央委員会総会)を開き、「戦争法廃止」と集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回を実現するための「国民連合政府」構想を決定。民主党など他の野党と協力して暫定的な連立政権を樹立し、そのための全国的な選挙協力も行う構想だ。

 「野党が結束すれば必ず倒せる。安倍政権を包囲して退陣に追い込み、政治の転換をはかる年にするために大いに奮闘しようではないか」

 構想提唱後、初めての旗びらきでこう呼び掛けた志位氏の言葉にも自然と力が込められた。平成26年1月の第26回党大会で、政権陥落後で落ち目の民主党をよそに「『自共対決』時代の本格的な始まり」と決議したのを忘れたかのようだった。

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