《被告人席や弁護人席を隠すようについたてが設けられた法廷に傍聴人が次々と入廷。開廷約5分前の午前9時55分ごろ、ついたてが外されると、被告人席に着席する被告の後ろ姿があらわれた。丸刈りで濃いグレーのスーツ、白いワイシャツを着ている》
《午前10時、近藤裁判長は開廷を宣言し、被告に起立を促す。成人の裁判では氏名などを読み上げて間違いがないかを確認するが、少年事件のため、近藤裁判長は公判前整理手続きのときから氏名などに変更がないかを尋ね、被告は小さな声で『はい』と応じた》
《続いて罪状認否に移り、検察官が(1)被告が27年1月17日、横浜市の日吉駅付近の駐車場で上村さんの顔をこぶしで殴って2週間のけがを負わせた(2)同年2月20日に被告は殺意を持って、少年B、Cは傷害の犯意で上村さんの首をカッターナイフで多数回切りさき、死亡させたとする起訴内容を読み上げる》
《身じろぎせず、聞き入る被告。近藤裁判長は被告に黙秘権があることを告げた上で、こう尋ねた》
裁判長「読み上げられた公訴事実に間違いなどはありますか」
被告「間違いありません」
《被告は再び小さな声で答え、弁護人も「同じ意見です」と続ける。傍聴していた記者たちが速報を伝えるため慌ただしく法廷の外に出ていく》
《続いて検察側の冒頭陳述へと移り、画面には被告や少年B、C、上村さんの人間関係を示す図が写し出される》
検察官「お手元の資料に沿って争点、事件の流れなどポイントについて説明していきます」