欧州文化首都ヴロツワフ(下) 多様性の街に芽生える相互理解

欧州文化首都ヴロツワフ(下) 多様性の街に芽生える相互理解
欧州文化首都ヴロツワフ(下) 多様性の街に芽生える相互理解
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 今年の欧州文化首都に選ばれたポーランドのヴロツワフには、1つの世界遺産がある。ナポレオン軍に勝利した100年後の1913年にドイツ人建築家、マックス・ベルクの設計で建てられた百周年記念ホールで、鉄筋コンクリート製の巨大なドーム構造は、画期的な建物とされる。

 記者が訪れたときはハンドボールの欧州選手権が行われていて内部の見学はできなかったが、すぐかたわらにどっしりしたドームとは不釣り合いの細長い塔がそびえている。聞けば共産政権時代に街のシンボルとして建てられたものだそうで、この奇妙な組み合わせからもヴロツワフの複雑な歴史が垣間見える。

 旧市街を案内してくれた地元ガイドのアンナ・オリンスカさんによると、この地に最初の教会ができたのは西暦1000年のこと。以来、ポーランド王国のもとで街が建設されたが、13世紀にはモンゴルの侵略を受け、14世紀には現在のチェコに当たるボヘミアの支配下に入る。さらにオーストリアのハプスブルク家を経て、ドイツ人国家のプロイセンが統治。第二次大戦後までドイツの一部だったが、戦後ようやくポーランドに復帰した。