日本人の「勤勉さ」を表すジョーク
終戦を迎えたブラジルで、敗戦国となったイタリア、ドイツ、日本の移民たちが当時、どんな行動をとったのか-。ブラジル人は冗談交じりに国民性の違いを口にする。「イタリア人は『戦争が終わった』とお祭り騒ぎをした。ドイツ人は店を閉めて『祖国が負けた』と悲しんだ。一方、日本人は泣きながら働いていた」。現地紙「パウリスタ」で勤務した経験のあるノンフィクション作家、高橋幸春氏は日系人の勤勉な性格を示すエピソードを著書『日系人の歴史を知ろう』(岩波ジュニア新書)で紹介する。
「日本人なら信用できる」-。信頼と尊敬にかたどられた日系人の「明治人魂」が息づくリオ五輪は、過去の夏季五輪とは意味合いが異なる。両国の長い交流を支えてきた日系人は、65年前に木村のリングに熱狂と興奮を抑えきれなかったように、リオ五輪での日本選手の奮闘とセンターポールにたなびく「日の丸」に涙するであろう。