スゴ技ニッポン

食品工場排水を安価に純水に 節水とコスト削減を両立 キユーピーグループのデリア食品

【スゴ技ニッポン】食品工場排水を安価に純水に 節水とコスト削減を両立 キユーピーグループのデリア食品
【スゴ技ニッポン】食品工場排水を安価に純水に 節水とコスト削減を両立 キユーピーグループのデリア食品
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 食品メーカー、キユーピーのグループ会社で、サラダや総菜などの製造・販売を手がけるデリア食品は昭島事業所(東京都昭島市)で、製造の過程で出る排水を最新の技術を生かして、純水に濾過している。純水はトイレに流す水や樹木への散水、空調設備の室外機の冷却などに使用。節水、節電とコスト削減を同時に実現した。

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 2012年11月に稼働した昭島事業所は「11年3月に東日本大震災が発生したことから、節電など環境への配慮を重視した」と生産本部技術環境部の田邉秀一次長は説明する。

 昭島事業所は、スーパーの売り場に並ぶポテトサラダや総菜を1日当たり約17万食製造し、調理や食材の洗浄などに大量の水を使用する。

 その他にも従業員の手洗いやトイレ使用、さらには工場内の作業環境を一定にするため、夏場の炎天下で温度が高くなると空調の室外機や工場の屋根を冷却するための散水などを行う。これらを含めると必要な水の量は1日約800トンに達するが、敷地内の井戸水から使用できるのは約500トン。残り約300トンは市の水道水でも賄えるがコストが増大してしまう。このため水の使用量を減らすことが環境とコストの両面から必要に迫られていた。

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