後継者を何が何でも育てる 平成の名人、歌舞伎俳優・澤村田之助(83) (2/4ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

後継者を何が何でも育てる 平成の名人、歌舞伎俳優・澤村田之助(83) 

 そんな役の一つが平成12年、歌舞伎座(東京都中央区)で初めて勤めた「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」の按摩丈賀(あんまじょうが)だった。

 若いとき、可憐(かれん)な娘役を多く勤めてきた人が演じた老け役。驚いた人は多かった。「最初は僕の範囲じゃないと思いました。でも、やってみると味わいの必要な、お役でした」

 二代目中村又五郎(1914~2009年)以来、歌舞伎史上3人目の「歌舞伎脇役」での人間国宝。

 紀伊国屋の御曹司に生まれ、初舞台前から楽屋に連れられ、歌舞伎になじんでいった。歌舞伎史に残る名人、六代目尾上(おのえ)菊五郎(1885~1949年)の家に居候した時期もあった。

 子役時代、忘れられない舞台が「め組の喧嘩」。六代目菊五郎の辰五郎、十二代目片岡仁左衛門(1882~1946年)のお仲夫婦の息子役。「とってもうれしかったですよ。名人のお2人の間に入るのは」