京セラは29日、スマートフォンの国内外の生産拠点工場5カ所を2~3カ所に集約する方針を明らかにした。中国経済の減速と部品を供給するスマホメーカーの生産調整が響いて、収益が頭打ちになっているためで、スマホ事業の構造改革を急ぐ。
山口悟郎社長は同日の平成27年4~12月期決算の会見で「スマホは利益が出にくくなっており、構造改革が必要。低価格品の製造をやめて、高価格品にシフトする。工場は2、3カ所に集約する」と述べ、生産台数を年間約1200万台から約1000万台に抑える方針を示した。スマホを製造している通信機器工場は、国内は北海道、福島県、大阪府、海外はマレーシア、ベトナムの計5カ所。対象となる工場は未定で、山口社長は「28年度中に方向性を出したい」と述べた。スマホ生産を終了する工場の活用法は未定。
また、経営再建中のシャープについて山口社長は「太陽電池や携帯電話、複合機など業態が似ているので、各事業のビジネスチャンスに興味はある」と述べ、関心を示した。
京セラの27年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比0・8%減、最終利益は同19・6%減の減収減益となった。