浪速風

お主もワルよのう

時代劇ではおなじみのシーンである。悪代官の屋敷を訪ねた越後屋(悪徳商人にはなぜか越後屋が多い)が手土産の菓子折りを差し出す。上げ底になっていて、下には小判がぎっしり。チラッと見た代官が「フフッ、越後屋、お主もワルよのう」「いえいえ、お代官様ほどでは」。

▼まさかこんなやりとりはなかっただろうが、甘利明経済再生相の場合も小道具に菓子折りが使われた。大臣室で手渡された菓子折りの紙袋に50万円が入っていたそうだ。日本だけではない。中国では中秋節に月餅を贈る習慣があるが、賄賂として金メッキされたり、自動車のキーが入っていて、腐敗一掃のやり玉に挙がった。

▼辞任で幕引きではない。甘利氏の会見を聞いてもまだナゾは多い。建設会社から依頼された都市再生機構(UR)との補償交渉への口利きはなかったのか。現金を贈った側が告発したのはなぜか…。時代劇なら黄門様や桃太郎侍の出番だ。すっきりした一件落着が見たい。