イルカ飼育へ新団体 JAZA離脱の受け皿にも

 日本動物園水族館協会(JAZA)が昨年5月、加盟施設に対して和歌山県太地町での追い込み漁で捕獲したイルカの入手を禁じたことを受け、国内でイルカなどの鯨類を飼育している水族館などが、JAZAの枠組みを超えた新たな「日本鯨類研究協議会」を設立したことが29日、関係者への取材で分かった。JAZA非加盟の施設も受け入れることにしており、JAZA脱退を検討している施設の受け皿になる可能性もある。

 関係者らによると、JAZAの措置などを受けて、イルカなどを飼育、展示しているJAZA加盟施設などが今月20日、東京都内で会合を開き、協議会を設立した。

 協議会は任意団体で、イルカなどの展示や飼育、繁殖についての情報交換や研究などが主な目的。JAZA加盟の水族館など約30施設のほか、昨年9月に脱退した太地町立くじらの博物館が参加。JAZA非加盟の施設なども受け入れるとしている。また、将来的には、法人化を目指す。

 追い込み漁をめぐっては世界動物園水族館協会(WAZA)が「残酷」と問題視して、追い込み漁によるイルカの入手を会員施設にやめさせるようJAZAに要求。WAZAからの脱退か、入手禁止かを迫られたJAZAは、会員152施設(動物園89、水族館63)による投票を実施して、WAZA残留を決めた。

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