防衛最前線(54)

たかなみ型護衛艦 むらさめ型より打撃力を大幅アップ 海賊・不審船への対処に威力 韓国と共同訓練も

 海自幹部は「海賊に対処できる能力があることに加え、その威容で海賊や不審船の活動を圧倒することも重要だ。たかなみ型はうってつけといえる」と強調する。

 たかなみ型をはじめとする海自艦艇の貢献ぶりは、数字が物語っている。21年の派遣当時、アデン湾での海賊事案は年間200件を超えていたが、年々減少し、昨年は速報値ベースでついにゼロになった。海自の直接護衛回数は累計で約700回、ゾーンディフェンスの実施日数は累計で約600日に達し、その間、1隻の被害も出さずに任務を遂行している。

 海賊の発生件数がゼロになったことを受け、野党の一部からは、海賊対処任務を継続する必要性に疑問を差し挟む声もあるが、安全保障上の「抑止力」をまったく考慮しない意見と言わざるを得ない。

 安倍晋三首相は今国会で「海賊事案がゼロになったのは、自衛隊も参加したゾーンディフェンスの抑止力がきいた。(自衛隊が手を引けば)また海賊事案が起きかねない」と野党の指摘を一蹴している。