慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した日韓外相会談から28日で1カ月を迎える。日本側は「ボールは韓国側にある」(谷垣禎一自民党幹事長)として韓国側の対応を見守る構えだが、26日には東京都内で立場が真っ向から対立する保守系団体と元慰安婦らがそれぞれ会見し、日韓合意を批判した。
「ハルモニ(おばあさん)に事前説明せず日韓政府が合意した。ハルモニの人権の問題であり、個人の請求権の問題だ」
元慰安婦が共同生活をおくる「ナヌムの家」の安信権所長は26日、国会内で開かれた集会でこう述べた。集会には元慰安婦2人も参加。吉見義明・中央大教授による講演も行われるなど150人以上が集まった。
一方、保守系民間団体「慰安婦の真実国民運動」(加瀬英明代表)もこの日、記者会見。日韓合意によって「慰安婦=性奴隷」の認識がさらに広まり定着したとして「取り返しのつかない事態を引き起こした」と指摘し、日本政府に正しい情報の発信を早急に求める要望書を発表した。藤岡信勝・拓殖大客員教授は「元慰安婦の来日に韓国政府が出国を許可している。相手を非難しないとの日韓合意に違反している」と韓国側を批判した。