ここで使うのは、金融機関のキャッシュカードをそのまま買い物に使える「J-デビット」のほか、銀行とクレジットカード会社が提携して発行し、クレジットカード加盟店で使える「国際ブランドデビットカード」。デビットカードと同じで、ボタンで暗証番号を入力するだけで手続きは済む。
利用手数料は店側の負担だ。レジを無料のATMとして利用できる格好となり、ATMの設置が少ないような地域ではATMの代わりのインフラになる。しかも、ATMのように設置場所や時間帯を気にする必要がなくなるのも大きな利点だ。
さらに、金融庁はキャッシュアウトについて、レジだけでなく、宅配業者やタクシーの支払い時などにも採り入れることを検討している。携帯型端末を活用してデビットカードを読み取り、自宅やタクシーの車内などで預金引き出しの手続きができれば、外出やATMを探し回るのが難しい高齢者らにとっては助けになりそうだ。
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金融機関には早くも今回の規制緩和に対応する動きが出ている。みずほ銀行は法整備を前提に、平成29年度からサービスを開始する準備に入った。同社はJ-デビットに力を入れており、「キャッシュアウトは、J-デビットのカンフル剤になるかもしれない」(広報室)と期待する。