経済インサイド

スーパーのレジで現金が引き出せる デビットカードの新サービスは果たして日本に根付くのか?

来年にもスーパーのレジで現金が引き出せることになりそうだが…(写真と本文は関係ありません)
来年にもスーパーのレジで現金が引き出せることになりそうだが…(写真と本文は関係ありません)

 スーパーマーケットのレジで現金を引き出せるようになる-。買い物の支払いと同時に金融機関の口座から代金が引き落とされる「デビットカード」を使ったユニークなサービスが来年にも解禁となる見通しになった。現金自動預払機(ATM)の少ない地方や郊外での利便性の向上などが期待されるが、一方で決済手段としてデビットカードの利用率が低い日本で、新たなサービスが浸透するか疑問の声も上がっている。

 デビットカードで小売店などから現金を引き出す仕組みは、「キャッシュアウト」サービスと呼ばれ、実はデビットカードが普及する欧米ではすでに広く利用されている。昨年12月末に金融庁の金融審議会が「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」の報告書の中で、規制緩和の方向性を打ち出した。

 「何ドル必要?」。米国でスーパーのレジでは店員がこう声をかけてくるという。なじみのない日本人にとっては「?」となるが、これがキャッシュアウトのさわりだ。具体的にはどのような流れで現金を引き出すのか-。

 例えば、5000円の商品をスーパーで買い物するついでに1万円の現金も引き出したいとする。この場合、レジで1万円のキャッシュアウトを店員に伝えると、デビットカードから1万5000円が口座から引き落とされる。そのうち5000円を支払いに回され、店員から1万円を受け取る仕組みだ。

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