育児休業中の女性が経営を学ぶ「育休MBA」に注目が集まっている。大阪では昨年8月から「ぷちでガチ! 育休MBA講座」がスタートし、定員を上回る盛況ぶりだ。毎月1回、約2時間の講座でMBA(経営学修士)の資格が取れるわけではないが、内容は本格的。復帰後のキャリアアップにも役立つことが期待されている。
「見たことのないシュールな空間になってますが、今日はビジネスプランを作る発想法を体験します」
乳児を連れて着席した女性24人を前に、京都大学産官学連携本部IMS研究部門の研究員、中原有紀子さんは、戸惑った表情を浮かべた。1月中旬、大阪市北区のグランフロント大阪にあるセミナールーム。受講する女性たちはみな、真剣な表情だ。
同伴の乳児はだっこされてきょとんとした表情を浮かべたり、床に座り込んで遊んだり。その傍らで女性たちは4、5人のグループに分かれ、てきぱきと話し合いながら「幸せ」をテーマにした商品開発に向けた課題をこなしていく。
この日初めて参加した京都府大山崎町の竹内真子さん(33)は、精密機器メーカーの海外営業部に勤務し、11カ月の次女の育休中。「長女の育休の時もこんな講座を探したけれどなかった。頭を使うリハビリにもなるし、同じ境遇の異業種の方が多くて楽しい」