琴奨菊初優勝

「賜杯の横に座らせてあげる」…愛妻への約束守った 1月30日の披露宴に花添える

【琴奨菊初優勝】「賜杯の横に座らせてあげる」…愛妻への約束守った 1月30日の披露宴に花添える
【琴奨菊初優勝】「賜杯の横に座らせてあげる」…愛妻への約束守った 1月30日の披露宴に花添える
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■琴奨菊和弘関(31)

 大相撲初場所で日本出身力士として10年ぶりの優勝を果たした。初めて抱いた賜杯は「いろんな思いの詰まった重さだった」。

 快進撃を続けた今場所。報道陣にはずっと穏やかな表情で悟ったような言葉を並べていた。「準備と対策ができているから」「この状況を楽しみたい」

 実は、重圧を感じていた。13日目の豊ノ島戦を前にした夜中。父の菊次一典さん(60)へメールを送ったのは0時55分だった。文面は「ドキドキを通り越して不気味」。父は「眠れなかったんだろう」と息子の心境を推察し、返信した。「自分の相撲を取るだけだよ」

 初優勝を意識してしまったのか、その豊ノ島戦で初黒星を喫した。だが、敗戦は逆に平常心を取り戻すきっかけにもなった。崩れることなく1敗を守り、賜杯へたどり着いた。

 大関になって5年目。両膝や右胸のけがに苦しみ、勝ち越しがやっとの時期が続いた。転機は昨年7月の名古屋場所。その場所前に祐未夫人と入籍したが、千秋楽にようやく勝ち越しを決める難局で、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「嫁につらい思いをさせたくないという思いが琴奨菊を変えた」とみる。

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