民主党の岡田克也代表や社民党の福島瑞穂前党首がこのところ、自民党が憲法改正の具体的な項目として例示する緊急事態条項について、ナチス・ドイツの権力獲得過程になぞらえた発言をしている。この人たちは、レッテル貼りのほかにやることはないのかとげんなりし、その論理破綻には開いた口がふさがらない。
「法律がなくても首相が政令で(国民の)権利を制限できる。恐ろしいことだ。ナチスが権力をとる過程とはそういうことだ」
岡田氏は15日のBS朝日の番組収録でこう語った。収録後には記者団に「ヒトラーが政権をいったん取った後、議会を無視して権力、独裁政権をつくった」とも指摘したが、緊急事態条項は果たしてそんなに危険なものだろうか。
西修・駒沢大名誉教授(憲法)によると、1990年以降に制定された102カ国の憲法すべてに緊急事態条項が設けられている。これらの国々はみんな独裁政権の圧制下にあえいでいるとでもいうのか。