一 はじめに
(未来へ挑戦する国会)
開国か、攘夷(じょうい)か。150年前の日本は、その方針すら決められませんでした。終わらない議論、曖昧な結論、そして責任の回避。滅び行く徳川幕府を見て、小栗上野介(こうずけのすけ)は、こう嘆きました。
「一言以て 国を亡ぼすべきもの ありや、
どうかなろう と云う一言、
これなり 幕府が滅亡したるは この一言なり」
国民から負託を受けた私たち国会議員は、「どうにかなる」ではいけません。自分たちの手で「どうにかする」。現実を直視し、解決策を示し、そして実行する。その大きな責任があります。
経済成長、少子高齢化、厳しさを増す安全保障環境。この国会に求められていることは、こうした懸案に真正面から「挑戦」する。答えを出すことであります。批判だけに明け暮れ、対案を示さず、後は「どうにかなる」。そういう態度は、国民に対して誠に無責任であります。ぜひとも、具体的な政策をぶつけあい、建設的な議論を行おうではありませんか。