首相は施政方針演説で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設による全面返還について、「もはや先送りは許されない」と述べ、飛行場の危険性除去の実現に強い決意を表明した。24日投開票の宜野湾市長選や夏の参院選を見据え、辺野古移設を推し進める考えを示すことで、移設に反対する翁長(おなが)雄志(たけし)沖縄県知事に譲らない姿勢も示した。
首相は普天間飛行場が「学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある」と訴え、世界一危険とされる飛行場移設の必要性を強調した。普天間飛行場移設は日米で合意しており、頓挫すれば日米同盟に基づく両国の良好な関係に影を落とすとともに、中国による高圧的な海洋進出や北朝鮮の核ミサイルに対する防衛体制に綻(ほころ)びが生じ兼ねないからだ。