防衛省統合幕僚監部は22日、日本領空に接近した中国機に対する航空自衛隊戦闘機の緊急発進(スクランブル)が、平成27年度第3四半期まで(昨年4~12月)の合計で、前年同期比2回増の373回に達し、過去最多だったと発表した。全体の発進回数は567回で、中国機が国別で最多の66%を占めた。
中国機に対する発進は、直近の第3四半期(昨年10~12月)で142回で、飛来した中国機の種類は戦闘機が多かった。11月などに尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海から太平洋へ抜ける「特異な飛行」(統幕幹部)も複数回発生しており、防衛省は中国の動向を警戒している。
一方、ロシア機に対する緊急発進は第3四半期までの合計で183回だった。369回で過去最多だった前年同期からほぼ半減したが、爆撃機が日本列島を周回する長距離飛行などもあり、防衛省は「ロシアの活動が停滞したわけではない」(幹部)と分析している。
中国機やロシア機以外の第3四半期までのスクランブルは、台湾機への発進が1回、その他の軍用機への発進が10回だった。北朝鮮機への発進はなかった。