文部科学省は22日、年収に応じて月々の返済額を決める「所得連動返還型奨学金制度」の導入を検討する有識者委員会の会合を開き、年収約150万円以下の場合、返還額を月々2千~3千円とすることなどを定めた素案を示した。
現行制度では一般的なケースとして貸与総額を約260万円とした場合、年収に関係なく月1万4400円の定額返還が原則。素案では、異なる返還率の4パターンが示され、年収に比例して徐々に返済月額が増加する仕組み。年収300万円のケースは、返済月額が7600~1万1400円と現行より少額となり、年収が低い人に配慮している。
ただ、議論は紛糾しており、素案通りに進むかは不透明な状況。今年度内に中間まとめを打ち出し、最終的な結論は来夏までにまとめる方針。新制度は文科省の外郭団体「日本学生支援機構」の奨学金が対象。現行制度下では多くの延滞者が出ており、回収率の改善が課題となっている。