【くらしナビ】「隠れ炎症」予防しよう 重大な病気引き起こす恐れ - 産経ニュース

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「隠れ炎症」予防しよう 重大な病気引き起こす恐れ

【くらしナビ】「隠れ炎症」予防しよう 重大な病気引き起こす恐れ
【くらしナビ】「隠れ炎症」予防しよう 重大な病気引き起こす恐れ
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 ■運動不足、食事偏り…生活習慣が原因

 体の内部で知らない間に進行する「隠れ炎症」への理解を深めてもらおうという取り組みが広がっている。この状態を放置しておくと、血管や内臓、皮膚など体内のあちこちで老化が進み、生活習慣病などの重大な病気を引き起こす恐れがあるためだ。医療関係者は「隠れ炎症の怖さを知り、いかにして抑えていくかが大切だ」と訴える。(武田範夫)

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 ◆加齢に伴って慢性化

 あまり聞き慣れない「隠れ炎症」とは、どういう状態を指すのだろうか。身体内に細菌などが侵入すると、これを排除しようとする防御反応が起こる。この際に起きるのが一般的な炎症。全身ではこうした小さな炎症が常に発生しているが、これが加齢に伴って慢性化し、蓄積してしまった状態が隠れ炎症だ。

 隠れ炎症が進行すると、動脈硬化や高血圧、心臓病、腎炎・肝炎、アルツハイマー病など数々の病を発症する恐れがある。また、その影響は肌にも及ぶ。体の内側からの要因に加え、紫外線やほこりといった外的ストレスにさらされることでシミ・シワ、たるみなどが目立ち、見た目上も老け込む。

 美容家の鈴木絢子氏は「肌は隠れ炎症の影響を受けやすい。早いうちから隠れ炎症のケアをすることは、美容のうえからも大事だ」としている。

 ◆早期の取り組み重要

 こうした深刻な問題に警鐘を鳴らそうと15日、東京都内で「老化と炎症」と題した啓発セミナー(「隠れ炎症を考える会」主催)が開かれた。講演した同志社大学大学院生命医科学研究科・アンチエイジングリサーチセンター教授で医師の米井嘉一氏は、隠れ炎症が起こるメカニズムなどを説明するとともに、「危険因子を早く発見して除去できれば健康寿命の延伸が望める」と述べ、予防ケアの重要性を指摘した。

 隠れ炎症が起こる原因は、現代人の生活習慣そのものと言っても過言ではない。同セミナーでの説明によると、運動不足による肥満や食生活の偏り、ストレス過多、座りっぱなしの生活、不規則な生活などが隠れ炎症を引き起こすという。例えば肥満の場合、太ることで炎症を悪化させる「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質が体内で分泌され、結果的に隠れ炎症になってしまう。一方、このセミナーで明らかにされた隠れ炎症に関する調査結果によると、「要注意」「危険信号」と評価された人の割合は、合わせて約85%にも達した。予想以上に現代人に広がっていることを示すものだ。

 ◆総合的な生活改善を

 それでは予防するにはどうしたらいいのだろうか。米井氏が強調したのが、食事や運動、メンタル面のケア、肌の保湿などの総合的な取り組み。食事についてはお菓子などの過剰な糖分の摂取を減らし、一汁三菜を基本とした和食に代表されるバランスの良い食事を心がけるのをはじめ、よくかんでゆっくり食べることが重要と説く。さらに、血糖値を急激に上げないために野菜を先に食べるほか、腸内環境を改善するために食物繊維や発酵食品を多くとる必要性などにも触れた。

 食事とともに重要な運動に関しては筋肉トレーニングや有酸素運動などを日常的に行うことを勧める。筋肉トレーニングが重要なのは、筋肉量が減少すると炎症のリスクが高まるため。全身の筋肉の7割は下半身にあることからゆっくりとしたスクワットなどが効果的なようだ。これに加えて「良質な睡眠をとるなどストレスをためないようにすることも、隠れ炎症の予防には欠かせない」(米井氏)と話す。今後、隠れ炎症の予防が健康増進の新たな留意点として注目を集めることになりそうだ。