≪類人猿へのアプローチ≫
1956年、申年生まれの私は今年、還暦の年女である。既に何回も年女を経験したが、特に感ずることはなかった。しかし今回だけは違う。還暦とはなるほどこういうことかと思い至ったからだ。
12歳、24歳のときにはとにかく経験不足。36歳のとき。ようやく経験がともなうようになった。48歳のときには、気力の衰えを感じつつもまだ何とかいける感じは残っていた。
そしてもうすぐ60歳。気力の衰えについては認めざるを得ないが、積んだはずの経験さえも今の時代に通用するのだろうか、と疑う日々…。「40にして惑わず」のはずが、「60になると惑ってしまう」のだ。さまざまなものがリセットされ、文字通り干支が一回りした感じだ。
私が2回目の年女だった24歳頃から勉強し後に仕事としたのは、人間も含めた動物の行動や進化論について紹介することである。