大学の女子力

女性のための教育・研究環境を整備 関西学院大(3完)理工学部、加藤知・学部長に聞く

「社会のあり方を変える女性人材を育てたい」と語る加藤知・理工学部長
「社会のあり方を変える女性人材を育てたい」と語る加藤知・理工学部長

 関西学院大学理工学部は平成24年、学部独自に男女共同参画宣言を出し、女性支援に積極的に取り組んでいる。全11学部中、女子学生の比率が2割台と最も低いことから、女子学生や女性教員の教育・研究環境を整備するのが狙い。具体的な内容について加藤知(さとる)学部長に聞いた。

 --理工学部の女子学生の比率は?

 「入学生の比率は平成23年度の21%から上昇傾向で、今年度は過去最高の28%。学科別では生命医化学科が60%と最も高く、逆に先進エネルギーナノ工学科は0%で、物理学科は15%と低い」

 --この割合をどう見るか

 「理系女子の割合が低いのは日本の特徴だが、海外の大学ではこの傾向は必ずしも当てはまらない。元来、男女間に能力差はなく、半々程度の割合で拮抗(きっこう)しているのが理想だろう」

 --どんな環境整備に取り組んでいるのか

 「女性教員や研究スタッフが出産・育児などの家庭生活と両立できる環境を確保するため、学部内に育児スペースや女性専用仮眠室を整備した。子供を育てる女性教員に代わって、支援員が実験・調査の補助や資料収集などを行う『ピンチヒッター制度』も導入し、好評を得ている」

会員限定記事会員サービス詳細