【台北=田中靖人】台湾の行政院(内閣に相当)の報道官は17日、毛治国行政院長(首相)以下の閣僚が18日に総辞職すると発表した。これに先立ち、馬英九総統は16日夜、同日投開票の総統選で当選した野党、民主進歩党の蔡英文主席に新たな行政院長の指名を要請、蔡主席は拒否した。5月の政権交代を前に、次期総統と現政権とのせめぎ合いが早くも始まった形だ。
中央選挙委員会によると、16日の投開票の結果、立法院(定数113)の議席は民進党68、中国国民党35、時代力量(時代の力)5、親民党3、その他2となった。民進党は総統と立法院の過半数を同時に確保し、初めての「完全執政」となる。総統選の投票率は66.27%で、過去最低となった。
台湾の憲法では、行政院長は総統が任命し立法院の同意を必要としないが、立法院に責任を負うと規定されている。このため、立法院が改選されると閣僚がいったん総辞職するのが慣例となっている。通常は2月1日の招集直前に総辞職するが、毛院長は前倒しして16日夜に辞意を表明した。