【北京=川越一】韓国のアイドルグループ「TWICE」で活躍する台湾出身のツウィ(周子瑜)さん(16)が16日までに、「台湾独立派」との批判に対してビデオで謝罪し、「中国はただ1つ。海峡の両岸は一体だ。私は中国人であることを誇りに感じている」と訴えた。台湾はもとより、中国本土でも中国の「圧力」を疑う声が挙がるなど、16日投開票の台湾総統選の票の行方にも影響を与えた可能性が指摘されている。
◇
台湾メディアなどによると、周さんは昨年11月、韓国のテレビ番組で、台湾出身であることをアピールするために、韓国国旗とともに台湾の旗「青天白日満地紅旗」を振った。
この旗は、中国内で台湾独立の象徴のように見なされている。中国当局はこの旗の取り扱いに敏感になっており、2012年ロンドン五輪の際には、在ロンドンの中国大使館の抗議で、ロンドン市内に掲げられたこの旗が撤去されられたとされる。
事務所の指示のまま旗を振った周さんにかみついたのが、「新鴛鴦蝴蝶夢」のヒット曲で知られる台湾出身の歌手、黄安氏。中国版ツイッターの「微博」に、台湾の旗を持つ周さんの写真を掲載し、中国本土のテレビ番組への出演への反対を訴えた。