関西の議論

「狂犬病が怖い」鹿に噛まれ中国人パニック 外国人急増で奈良公園の鹿がらみ「人身事故」過去最高に

 制作した、海外向け解説動画を手掛ける「simple show」(東京)の吉田哲社長は、「奈良の鹿が観光客のいい思い出作りとなるよう、注意事項の羅列ではなく、ショートストーリーで視聴者に語りかける内容にした」と話す。

人身事故の6割近くは外国人

 奈良県によると、県を訪れた外国人観光客は平成25年の45万6200人から、26年は66万3500人に増加。だが、これに比例するように、奈良公園の鹿による外国人の「人身事故」被害も増えているという。

 鹿によるけがや事故の相談に応じている「奈良公園のシカ相談室」によると、25年度の人身事故相談件数50件のうち、外国人による相談は12件で24%。だが、26年度は74件のうち34件で45・9%に上昇した。27年度は相談件数が12月末時点で86件と過去最高を記録。うち外国人は49件で56・9%と、大幅に増えている。

 事故発生が最も多い時間帯は午後1~3時で、場所は東大寺南大門周辺だ。「シカ相談室」の吉村明真(あきまさ)室長は「特に、中国人や東アジアの観光客の相談が多い」と話す。

 原因のほとんどは、鹿用に販売されている名物「鹿せんべい」をなかなか食べさせずにじらして鹿に体当たりされたり、ちぎった鹿せんべいを差し出して手もいっしょに噛まれたりと、観光客が誤った対応をしたためだという。

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