話の肖像画

世界エイズ・結核・マラリア対策基金局長・國井修(5)「どれだけ救えるか」にやりがい

 〈国際医療に飛び込む若手に期待する〉

 日本国内にも医療や年金など多くの課題はあると思います。でも、医療も年金もない貧しい国の現状にも目を向けてほしい。日本人のコミュニケーション能力は低く、国際社会で働く障壁となっていますが、人を押しのけない、人の手柄を取らない、まじめにきちんと仕事をするなど評価も高い。

 医学生に講義をすると、その1割くらいは海外で働きたいというんです。でも、専門医になり家庭をもつと、ためらう人も多くなる。欧米社会ではアフリカでの経験が評価されることも多いけれど、日本ではまだマイナス面が目立ちますからね。よほど好きじゃないとできない。

 ぼくはよほど好きだったんですね。でも、それが基本だと思います。夢は大きくて単純な方が、そこに向く力、ベクトルが強い。ぼくは単純な人間なので、若いときの夢や志を今も大切にしています。ただし、経験を積むにしたがって夢の形は変わってもいい。ぼくもアフリカで医者として患者を診るのではなく、戦略作りや対策プログラムの促進に力を注いでいます。そして、どうやってもっと多くの命を救おうか、夢は膨らんでいます。

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