話の肖像画

世界エイズ・結核・マラリア対策基金局長・國井修(5)「どれだけ救えるか」にやりがい

グローバルファンドの戦略・投資・効果局長として、援助した治療薬がきちんと処方されているかなどをチェックする(左)=2015年6月、ケニア
グローバルファンドの戦略・投資・効果局長として、援助した治療薬がきちんと処方されているかなどをチェックする(左)=2015年6月、ケニア

 〈長年、現場を飛び回ってきたが、現在は最前線から離れている〉

 ぼくはこれまで、3年から5年くらいのサイクルで、異なった場所で仕事をしてきました。3年間ソマリアで働いた後は、他のアフリカの国で働こうと思っていたら、ある人から世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド=GF)の戦略・投資・効果局長の空席情報に応募することを勧められた。戦略を作れるならおもしろいと思い、応募しました。

 こうすれば感染症対策と保健システムを連携できる、支援の効果を上げるにはああすべきだ、など現場から発信したいことが多くありました。ユニセフ本部で保健戦略アドバイザーをやっていたこともあるので、現場の知見を戦略につなげる方法も、ある程度知っています。最悪の国といわれたソマリアやミャンマーで培った挑戦心や諦めない心もあります。大学や外務省で働き、NGOの創設にかかわった経験は、政府、国連から市民社会、当事者まで巻き込んで対策を行うGFで生かせると思いました。

 NGOをやっていたとき、活動を動かすのは情熱だと思っていたけれど、現場では資金がないと何もできません。いい活動を始めても継続できないこともあった。特に感染症は局所的、一時的な対策では制圧できません。相応の資金と緻密な戦略が必要なんです。

会員限定記事会員サービス詳細