風水の街、京都では御所の北東に比叡山延暦寺があり、御所の南は四条河原町などがある。大阪でも大阪城の北東に神社などが置かれ、南に難波や心斎橋などの賑やかな街ができている。
それらを踏まえ、ほへと氏は5号線のトンネル計画について「事業的にもさほど効果はないと思うが、風水的にも良くない」と結論づけた。
崩れる?「陰と陽のバランス」
風水的に「陰」でなくてはならない二葉山に5号線が完成すれば、より多くの車が行き交い、「陰と陽のバランス」が崩れる。
トンネル建設について、神仏を祀る麓の寺社はどう考えているのか。取材に幾つかの寺社は「お答えすることはございません」。デリケートな問題であることを伺わせた。
その中で明確に反対意見を述べたのは、尾長天満宮の渡邊清臣宮司(61)だ。「二葉山地区は広島城の鬼門。鎮守の森を傷め、神様のいる地面を掘るようなことは、できるなら避けたいのが当然でしょう」
また、鶴羽根神社の石井計次宮司(60)は、「鶴羽根」の名称が背後の山の形が羽根を広げた鶴の姿に似ているところからきたとして、「御由緒に傷がつくのは大変残念」と話した。
トンネル建設で「陰と陽のバランス」や「気」の変化が起き、広島に何かをもたらすのか。確かなことは分からないが、反対の声が残る中で工事の手続きは進んでいる。