数学の時代(5)

ディズニー作品にも多くの数学者が関与 忘れられた数学が未来を創る

ディズニーにも

 他分野との連携では一見、数学とは無関係に思える研究も珍しくない。

 純粋数学を専門とする九州大教授の落合啓之(50)は現在、アニメ制作会社との共同研究を進めている。最新のコンピューター・グラフィックスには高度な数学が不可欠で、いまやディズニー作品にも多くの数学者が関わっているという。

 数学に力を入れる企業も出てきた。新日鉄住金は社内に数理科学の専門部署を持つ。直接温度を測るのが難しい高炉の内部について「逆問題」と呼ばれる数学の技法を使って把握することが可能になったのだ。

 「いつどこで何の役に立つか分からないのが数学」という持論を持つ若山は、こう力説する。「数学は国力の隠れた源泉なんですよ」

   (敬称略)   =おわり

 この連載は、日本数学会による「ジャーナリスト・イン・レジデンス・プログラム」に参加した経験をもとにまとめた。これは、数学を扱う学術機関に記者やライターを滞在させて自由な取材の機会を提供するもので、日本では珍しい取り組みだ。

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