数学の時代(5)

ディズニー作品にも多くの数学者が関与 忘れられた数学が未来を創る

 日本では伝統的に純粋数学が尊重され、社会での応用は二の次との雰囲気が強かった。いまでも「数学は何かの役に立てようとするものではない」と考える数学者は少なくない。実際、日本の純粋数学のレベルは高く、これまでに3人の日本人が数学者として世界最高の栄誉であるフィールズ賞に輝いている。

 24年には京都大教授の望月新一が、最も重要な未解決問題のひとつとされた整数論の難問「ABC予想」を証明したと発表し、世界の注目を集めた。これが正しければ、解決に約350年かかった「フェルマーの最終定理」も簡単に証明できるという。

 ただ、一般社会に数学の存在意義が十分に理解されているとは言い難く、文科省の報告書では数学と他分野の連携や産業での活用が強く打ち出された。

 「実際にやってみると、世の中には数学が威力を発揮する場面がたくさんあることが分かった」。当時から数学の社会復帰に奔走してきた九州大副学長の若山正人(60)は振り返る。

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