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和牛に対抗か? 韓国が「韓牛」輸出にご執心 でも「硬くてまずい」 しかも日本の輸入は口蹄疫の余波で…

 韓国は、米国やオーストラリアなどと自由貿易協定(FTA)を相次ぎ結び、米韓FTAは2012年に発効した。米豪はいずれも牛肉輸出大国であり、米韓FTAでは発効から15年後に牛肉の関税撤廃が決まっている。

 米韓FTAには、韓国農家が激しく抵抗した。「農家が潰れる」というのが理由だった。韓国統計庁の統計によると、肉牛の飼育農家は11年に16万戸以上あったのが15年3月には10万戸まで減少した。一方、飼養頭数は約300万頭から約260万頭で、減少は飼育農家のそれに比べ小幅にとどまっている。韓国の畜産は壊滅状態にはなっていないのだ。

 数週間前に韓国を視察した新党改革の荒井広幸代表らも韓国の畜産事情に驚いたという。荒井氏らが訪れたソウル近郊の京畿(キョンギ)道・安城(アンソン)市にある飼育農家は、日本の福岡の農家で学んだノウハウを生かしているそうだ。安城の農家は荒井氏にこう説明したという。韓国国内の農家が減っても牛の頭数が減らないのは飼育が大規模化しているためであり、農家にはFTAに耐えられるだけの体力がついてきている。

 荒井氏が「どういう対応が必要になるのか」と聞いたら、農家は自信に満ちた顔で「品質です」と即答した。荒井氏は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結を控える日本にとって、韓国の畜産事情は大いに参考になるという。「安倍首相がいう『攻めの農業』に似ている。和牛も品質が非常に優れているから、韓国の農家の話は勇気づけられた」と語る。