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世界エイズ・結核・マラリア対策基金局長 國井修(1)3大感染症を効果的に減らす

世界エイズ・結核・マラリア対策基金局長・國井修(寺河内美奈撮影)
世界エイズ・結核・マラリア対策基金局長・國井修(寺河内美奈撮影)

 〈青い海に囲まれた世界有数のリゾート地、フィリピン・セブ島。多くの日本人が癒やしを求めて訪れるこの島を昨年10月、視察した。目的地は覚醒剤の回し打ちによってHIV(エイズウイルス)やC型肝炎の感染が広がるスラム街だった〉

 感染を防止するにはどうすればいいと思いますか? 覚醒剤の使用は犯罪。でも、彼らが薬物に走る背景には貧困や家族問題、失業など根深い問題があります。薬物は依存性が高く、刑務所に入れても、治療も更生もできません。

 私たちは中毒者のカウンセリングや更生プログラムを進めるとともに、回し打ちを防ぐため新しい注射針の提供を支援していました。薬物は手放せなくても、針が新しければ少なくとも感染は防げる。しかし、政府は覚醒剤が広がるとして針の提供を禁止した。それでも、彼らは薬をやめないでしょう。再び回し打ちが広がるだけです。薬物依存に加え病気を抱え、彼らにどうやって生きろというのでしょう。

 〈エイズ、結核、マラリアの3大感染症を減らすため、どのように資金を使うか。それを考え実行するのが「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド=GF)」の戦略・投資・効果局長の役目だ。昨年12月17日には、増資準備会合がアジア初となる東京で開かれ、平成29(2017)年からの3年間に計130億ドルの拠出を各国に呼びかけた〉

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