iRONNA発

惑星有人探査 日本人が火星に降り立つ日 飛行士に求められる資質とは 村上祐資氏

 人類はこれまで一度として火星に人を送ったことがない。数週間程度の月探査ミッションや数カ月単位の宇宙ステーションミッションと、数年にわたる火星探査ミッションでは、根本的な違いがある。実のところ、NASA(米航空宇宙局)でさえ、まだその解を出せてはいない。

 ◆美しい調和

 そこでNASAをはじめとする、有人火星探査計画にかかわる人々がモデルとしようとしているのが「南極越冬隊」だ。南極は空気も水もあり、地球上ではあるが、ストレスのかかる過酷な環境下において、文明圏から1年以上も長期隔離されるという点においては驚くほど火星と似ている。

 南極では、ぶれない「意志の力」よりも、ぶれない「気分の力」が問われる。それは大地に根をおろす力となる。僕たち日本人は、その能力にたけた民族だと思う。きっと四季折々の変化に富んだ大地に根を張り、生きてきたからだろう。日本の細やかさは、日本人が可能な限り無関心事をなくそうと、日々や物事の変化に心を配り、尽くしてきたその軌跡である。そして、そこからは美しい調和が生まれる。

 14年の第39次ISS長期滞在ミッションでは、若田光一さんが日本人として初めて、コマンダー(司令官)を務めた。若田さんは、これまでにはなかった「調和型」の新しいコマンダー像を作ったとして評価されている。

会員限定記事会員サービス詳細