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今年7月、米自動車大手「FCA US」(旧クライスラー)は、米国で「チェロキー」など一部車種の計約140万台をリコールすると発表した。インターネット通信機能を通じたハッカーの攻撃により、外部からエンジンなどを操作されるおそれがあることが判明したためだ。
ハッカーから防御
「こうした事態は以前から懸念されていた。ただ、こんなに早いとは…」。九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(福岡市西区)で教授を務める数学者の高木剛(つよし)(46)は表情を曇らせる。なぜ、数学者が自動車の心配をしなければならないのか。
クレジットカード決済やウェブ上の個人認証など、現代社会のセキュリティーは暗号技術なしに成り立たない。それを支えているのが、数学だからだ。